「それで?お二人さんの方は?」

 北田先生はボクとトーマの方を向いた。先生も付き合いが良いなあ『二人』だなんて。っても、そんな風じゃなきゃなのかな?教頭への報告とやらは。たしかに4名いなくちゃダメな部活を3人でやってるって報告した時点でアウトっぽいけど……嫌々顧問やってるってんなら、それでも良さそうな気もするのに。

「トーマくんは……」
 まあ、ボクもあえてバラすこともないので話にのってるふりをすることにした。
「でもまあ、ボクは一応メロディだけ打ち込んできたんです。ふたつ……なんか迷っちゃって」
「おっイイな~とりあえず聴かせてくれよ」
「ハ……ハイ……これです」

 ボクはVOCALOIDやDAWソフトを入れたノートPCを借りて帰って、メロディの触りだけ作ってきていた。ボクは顔から火が出るような思いでそのファイルを再生した。


  



「ほほう……コッチはPOPで、コッチはバラードって感じ?」
「さ、さあーあんま意識してないです」
「どう?女性陣は」
 北田先生が華音さんと奏にふった。僕はまた心臓が飛び出そうなくらいに緊張して華音さんの一言を待った。

「ショボイ……こんなショボイんじゃダメよ。ダメダメ!ダメすぎるわ!」

「え?や、ああ……これは……」

 も、もちろん、あの華音さんの口から優しい言葉を期待していたわけじゃない。そうじゃないけど、その落胆ぶりはショックだった。

「これはまだ、メロディだけのMIDI打ち込みだろ?」
「ハ……イ……」
 北田先生は何気に、多少は分かるらしかった。が……
「ミディーだかミンディだか知らないけど、こんなのじゃダメじゃない!間に合うの?」
「まーまー部長さん。いいじゃない。第一弾はこれで。でもさ、結局誰かが一度まとめなくちゃだから……ね?拓人くん」
 北田先生がボクの肩を叩いた。
「え、あ、ハイ。ボクやってみます」
「そうだね。それがいいね。じゃさ、二人の歌詞をブレンドした感じで適当に唄も入れときなよ。ね。アレンジとかは、まーいいから、ドラムとベースくらい入ってればいいかな、あとピアノか。できればサビもほしいなあ、ワンコーラスでいいからさ」
「は、はあ……」
 北田先生は、なんだかやっぱ少しは知ってるらしかった……
「んじゃ、金曜日な。時間ないからさ」



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